外国人技能実習制度における送り出し機関:英語での情報収集と活用術を    解説!

送り出し機関 英語

2025年現在、日本の企業にとって外国人材の受入れは、人手不足解消の重要な鍵となっています。

特に「外国人技能実習制度」は、国際協力と人材育成を目的とした制度として多くの企業に利用されています。

この制度において、海外の「送り出し機関」は、技能実習生の募集、選抜、日本語教育の他、日本への送出に係る手続きなど、多岐にわたる重要な役割を担っています。

しかし、送り出し機関に関する情報は、各国の法令や制度が異なり、情報収集が困難な場合も少なくありません。

特に、日本語以外の言語、特に「英語」で情報を収集する必要がある場合、どこから必要な情報を得ればよいのか迷う方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、外国人技能実習制度における送り出し機関に関する情報を、英語で効率的に収集し、活用するための具体的な方法について詳しく解説します

外国人技能実習機構(JITCO)の英語サイトの活用術から、送出国の政府機関が公表する情報の見つけ方まで、担当者が知っておくべき情報を網羅的に提供します。

目次

送り出し機関とは?外国人技能実習制度における位置づけを再確認

外国人技能実習制度と書かれた木のブロック

外国人技能実習制度の概要と併せて、送り出し機関の位置づけについて解説します。

外国人技能実習制度の概要と送り出し機関の役割

外国人技能実習制度は、日本で培われた技能、技術または知識を開発途上地域等へ移転することにより、国際協力を行い、開発途上地域等の経済発展を担う人材を育成することを目的としています

この制度において、送り出し機関は実習生が日本に来る前の段階で、以下の重要な役割を担っています。

役割
技能実習生の募集と選抜

各国の法令に基づき、日本での技能実習を希望する者を募集し、書類選考や面接を通じて適切な人材を選抜します。

日本語教育の実施

日本での生活や実習に必要な日本語能力を習得させるための講習を行います。

日本の生活習慣・法令の説明

実習生が日本の文化や習慣、労働法令などを理解し、円滑に日本での生活を開始できるよう指導します。

日本への送出に係る手続き

在留資格申請やビザ取得など、日本への入国に必要な手続きの支援を行います。

監理団体との協力

日本側の監理団体と密に連絡を取り、実習生の情報共有や問題発生時の対応に協力します。

送り出し機関の認定と二国間協力覚書(MOC)

送り出し機関の中には、自国の政府から認定を受けている機関も多くあります。

認定された機関は、一定の基準や要件を満たしており、信頼性が高いと言えます

また、日本と技能実習生を送出する国の間では、「二国間協力覚書(Memorandum of Cooperation: MOC)」が締結されている場合が多くあります。

このMOCは、外国人技能実習制度の適切な運用を確保するための政府間協力の枠組みを定めたものです。

MOCを締結している国からの送出は、より制度的な保障の下で行われます。

送り出し機関の情報を英語で収集する際には、これらの認定やMOCに関する情報も重要な確認事項となります。

参考:出入国在留管理庁:特定技能に関する二国間の協力覚書

送り出し機関の情報を英語で探す:主要な情報源と活用術

ネット検索で情報収集

送り出し機関の英語で探すために、活用したい参考サイトについて解説します。

外国人技能実習機構(OTIT)の英語サイト活用術

外国人技能実習機構(Organization for Technical Intern Training: OTIT)は、日本の技能実習制度を適正に実施するための機関です

OTITのウェブサイトには、制度概要、申請手続き、法令に関する情報など、技能実習制度に関する豊富な情報が掲載されています。

外国人技能実習機構のウェブサイトは、日本語だけでなく「英語」対応もしています。

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項目概要
URL通常、「home」や「site map」の近くに「English」ボタンや「language」選択肢があります。
掲載情報
Overview of the Technical Intern Training Program制度概要を英語で確認できます。
Procedures申請手続きの概要が英語で説明されています。
Certified Supervising Organizations/Implementing Organizations監理団体や実習実施機関に関する情報も一部英語で提供されている場合があります。
Guidance for Technical Intern Trainees技能実習生向けの情報も英語で提供されており、送り出し機関が実習生にどのような情報を提供すべきか参考になります。
Q&Aよくある質問と回答が英語で掲載されている場合もあり、不明な点の解消に役立ちます。

OTITの英語サイトを定期的に確認することで、制度の最新情報や変更事項を英語で把握することが可能です。

各送出国の政府機関ウェブサイト

送り出し機関の情報を英語で得る上で最も信頼できる情報源の一つは、送出国の政府機関が公表している情報です。

多くの送出国は、海外への労働者送出を管理する政府機関を持っており、そのウェブサイトは英語対応している場合が多くあります。

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主要な送出国の政府機関(英語名称例)
ベトナムDepartment of Overseas Labor (DOLAB)
フィリピンDepartment of Migrant Workers (DMW) / Philippine Overseas Employment Administration (POEA)
インドネシアIndonesian Migrant Workers Protection Agency (BP2MI)
ミャンマーMinistry of Labor, Immigration and Population
カンボジアMinistry of Labor and Vocational Training

これらの機関のウェブサイトでは、認定送り出し機関の一覧(List of Licensed Recruitment Agencies/Sending Organizations)、送出手続き、費用に関する情報などが英語で公表されている場合が多くあります。

送り出し機関との契約を締結する前に、必ずこれらの政府機関の情報を確認し、契約する機関が認定を受けているか、過去に問題を起こしていないかなどを調査することが重要です

日本の監理団体や支援機関の英語情報

日本の監理団体や外国人材支援を行っている機関の中には、海外の送り出し機関との連携を強化するため、自社のウェブサイトで英語情報を提供している場合があります。

これらのサイトでは、送り出し機関の紹介や、日本への送出に係る手続きに関する英語の解説が掲載されていることもあります。

検索例

“Technical Intern Training Japan sending organizations English” や “Supervising Organization Japan English” などのキーワードで検索してみましょう。

国際協力機関や労働機関の情報

国際労働機関(ILO)や国際移住機関(IOM)などの国際機関も、労働者の移動や外国人材の保護に関する情報を英語で公表しています。

これらの情報は、送り出し機関の倫理的な運用や、外国人材の権利保護に関する国際的な基準を理解する上で参考になります。

その他の英語情報源

ニュース記事: 海外メディアや日本の英字新聞など紙媒体の書類等、外国人技能実習制度や送り出し機関に関するニュース記事が掲載されている場合があります。

  • 研究論文
    • 学術機関が公表する研究論文の中には、送り出し機関の実態や課題について深く掘り下げた情報が英語で記述されているものもあります。
  • PDF資料
    • 政府機関や国際機関が公表する報告書やガイドラインは、PDF形式で提供されていることが多く、英語対応している場合も珍しくありません。

英語での情報収集における注意点と確認事項

辞書で意味を理解する様子

インターネットで検索は、大変便利ですが、たくさんの情報であふれています。参考にするサイトを見る際に公的のサイトなのか信頼性の面で確認が必要となってきます。

情報収集をする際の、注意点や確認事項を解説します。

情報の信頼性確認

インターネット上には様々な情報が溢れています。

特に英語での情報収集時は、その情報源が信頼できる機関(政府機関、公的機関、大手メディアなど)であるかを必ず確認しましょう

不正確な情報に基づく判断は、後で問題を引き起こす可能性があります。

最新情報の確認

外国人技能実習制度や送出国の法令は、定期的に変更される可能性があります。

古い情報に基づいて判断しないよう、常に最新の情報を確認することが重要です。

ウェブサイトの更新日付や公表日付に注意を払いましょう

専門用語の理解

英語の文書には、法令や制度に関する専門用語が多く含まれる場合があります。

不明な点は辞書や専門家の意見を参考にするなどして、正確な意味を理解するよう努めましょう

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技能実習制度関連の英語専門用語例
Technical Intern Training Program技能実習制度
Supervising Organization監理団体
Implementing Organization実習実施機関(受入れ企業)
Technical Intern Trainee技能実習生
Sending Organization送り出し機関
Memorandum of Cooperation (MOC)二国間協力覚書
Certificate of Eligibility (COE)在留資格認定証明書
Residence Card 在留カード
Immigration Services Agency of Japan出入国在留管理庁
Organization for Technical Intern Training (OTIT)外国人技能実習機構

PDF資料の活用

多くの公的機関は、詳細な情報をPDF形式で提供しています。

これらのPDF資料には、ウェブサイト上では掲載されていないような詳細なデータや解説が含まれている場合があります

英語で「report」「guideline」「white paper」などのキーワードと合わせて検索してみるのも有効です。

直接連絡の検討

どうしても情報が見つからない場合や、不明な点が解消されない場合は、送り出し機関の連絡先(contact information)を確認し、英語で直接問い合わせてみることも可能です。

ただし、連絡する際には、質問内容を明確にし、丁寧な対応を心がけましょう

送り出し機関選定における英語情報の活用事例

レビューをイメージした5つの星

送り出し機関の情報を英語で収集し、どんな点を活用するか解説します。

認定機関の確認

送出国の政府機関のウェブサイトで、英語で公表されている認定送り出し機関の一覧(List of Licensed Sending Organizations)を確認します。

候補となる送り出し機関が、この一覧に掲載されているかを確認することで、その機関が適法に事業を実施しているかを判断する参考になります

手数料や費用の透明性

送り出し機関が公表している費用一覧や、政府機関が提示する送出費用の上限に関する情報を英語で確認します。

不当な高額な手数料を請求する機関を避けるために、事前に情報を比較検討することが重要です

外国人技能実習機構も、技能実習生が送り出し機関に支払う費用について情報を提供しています。

日本語教育の質の確認

送り出し機関が提供する日本語教育のカリキュラムや実施期間に関する情報を英語で確認します。

可能であれば、教育施設や講習の様子を写真や動画で確認できる情報を探すのも良いでしょう。

日本語能力は、実習生が日本での生活や実習にスムーズに慣れるための必須事項です

実績と評判の調査

英語のニュース記事や報告書を通じて、送り出し機関の過去の実績や評判を調査します。

特に、不正な行為やトラブルに関する情報がないかを確認することは、信頼できる機関を選ぶ上で重要です

まとめ:英語情報を活用し、適切な送り出し機関を選ぶ

インターネットでの情報検索

外国人技能実習制度における送り出し機関の情報を英語で効率的に収集することは、適切な送り出し機関を選定し、技能実習制度を円滑に運用する上で非常に重要です。

外国人技能実習機構(OTIT)の英語サイト、各送出国の政府機関ウェブサイト、日本の監理団体や支援機関の英語情報、そして国際協力機関の情報など、多様な情報源を活用しましょう

情報の信頼性や最新性を確認し、専門用語を正確に理解することで、外国人技能実習制度を巡る問題を回避し、企業と技能実習生双方にとって実り多い関係を築くことが可能になります。

英語での情報収集は、日本の企業がグローバルな視点を持って外国人材を受け入れるための必須スキルの一つと言えるでしょう。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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