外食業で特定技能フィリピン人採用と定着を成功させるための企業戦略

特定技能 外食

日本の外食産業は、慢性的な人手不足という構造的課題に直面しています。景気の波や一時的な要因ではなく、事業拡大やサービス品質の維持を難しくする本質的な経営上の制約となっています。とりわけ中小規模の飲食事業者では、店舗運営を維持するための人員確保が深刻な問題です。

こうした背景を踏まえ、政府は2019年4月に「特定技能」の在留資格を創設しました。国内で人材確保が難しい産業分野において、即戦力として働ける外国人材の受け入れを目的とした制度です。外食業分野もこの制度の対象であり、農林水産省の報告によると、2024年時点で外食関連業務に従事する外国人数は約20万人を突破しています。

本記事では、外食業分野で特定技能人材、特にフィリピン人材の採用を検討する企業担当者に向けて、特定技能制度の概要、在留資格取得の要件、採用時の実務上の留意点、さらに定着・育成のための施策までを体系的に紹介します

採用戦略の立案や外国人雇用を計画的に進める際の参考として活用してください。

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目次

特定技能制度の概要と1号と2号の違い

ビジネスマンがAとBのパズルピースを組み合わせている。外食業で特定技能フィリピン人採用する際の制度の違いを象徴。

特定技能制度は、国内で人材確保が困難な分野において、即戦力となる外国人材を受け入れるために2019年4月に創設された在留資格制度です

出入国在留管理庁が在留資格の審査・許可を担当し、各産業分野の具体的運用や指針は担当省庁(外食業なら農林水産省など)が整備します。

制度は分野別の要件や試験に基づき運用されており、企業は法的要件を満たすだけでなく、採用後の定着支援も計画的に準備する必要があります。

制度設計は単なる労働力補充を超え、長期的な人材戦略の一部として位置づけられています。

特定技能1号と2号の違い

特定技能制度には、1号と2号の2つの区分が存在し、外食業分野においてもこの区別は、外国人材のキャリアパスと企業の長期戦略に大きな影響を与えます。

特定技能1号

特定技能1号は、「相当程度の知識又は経験を要する技能」を持つ外国人向けに与えられる在留資格です。在留期間は通算で最大5年と定められており、原則として家族の帯同は認められていません。

分野ごとの技能試験合格に加え、日本語能力の証明(JFT-Basicの所定レベルまたはJLPT N4相当など)が必要とされるため、企業としては即戦力となり得る人材を採用することが可能です。

特定技能2号

1号よりもさらに高度で「熟練した技能」を持つ人材を対象としてるのが、特定技能2号です。在留期間の更新に上限がなくなり、家族(配偶者と子)の帯同も可能になる点が一番大きな特徴です。

企業にとっては優秀な外国人材を長期的に雇用できるため、非常に魅力的な在留資格となっています。

外国人材にとっても安定した立場と環境で働くことができるため、1号の外国人材を採用した時点から2号へのキャリアアップと支援策を示すことが、人材確保と本人のモチベーションアップに直結する企業戦略となるでしょう。

特定技能1号・2号相違点一覧

スクロールできます
区分対象者在留期間家族帯同日本語能力要件特徴・企業メリット
特定技能1号即戦力として必要な知識・経験を有する外国人通算で原則5年以内原則不可JFT-Basic所定レベル、またはJLPT N4相当短〜中期の人材確保。
即戦力化に適しており、2号移行の見通しを示すことで定着促進が可能
特定技能2号熟練技能を持つ外国人通算上限なし可能
(配偶者・子)
外食業ではJLPT N3以上長期安定雇用。
家族帯同で生活基盤確立。
企業にとっては幹部候補や熟練者確保に最適

参考:特定技能制度 | 出入国在留管理庁

外食業における特定技能外国人材の要件と試験情報

試験用紙に鉛筆で解答する受験生。特定技能フィリピン人の日本語試験や外食業でのスキル評価をイメージ。

特定技能1号として外食業分野の業務に従事するためには、外国人材は主に以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 技能試験の合格
    • 外食業特定技能測定試験に合格すること。または、技能実習2号を良好に修了していること。
  2. 日本語能力試験の合格
    • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4相当以上の合格が必要。

これらの試験の合格は、外国人材が日本の外食現場で必要とされる最低限の専門知識とコミュニケーション能力を有していることの証明となります。

外食業特定技能測定試験

外食業特定技能測定試験の構成は、実務に直結する、以下の三つの領域を中心に組まれています。

  1. 衛生管理
  2. 飲食物調理
  3. 接客全般

試験では各分野にバランスよく出題されており、たとえば食品の衛生管理やHACCPに関する基礎知識、調理の基本的な手順、接客における応対とクレーム対応などが問われます。

そのため、外食業特定技能測定試験と日本語テストをパスした外国人材は、外食業の現場における即戦力として期待できるのです。

特定技能2号への移行要件

外食業で1号から2号へ移行するには、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 2号技能測定試験の合格
    • 外食業分野の2号に対応する技能測定試験への合格
  • 日本語能力の到達
    • 日本語能力試験(JLPT)でN3相当以上の水準が必要。
  • 指導等実務経験
    • 複数の従業員を指導・監督したり、店舗管理補助のような管理的実務を含む「指導等実務経験」が原則2年以上必要。

特定技能2号の要件として日本語能力が求められるのは、外食業のほかは漁業のみです。外食業で日本語能力が要件となっているのは、飲食料品を扱う関係上、食物アレルギーや原料原産地表示、お酒の提供に関する情報提供など、顧客からの多種多様な要求を正確かつきめ細かく聞き取り、対応する能力が求められるためです。

したがって、企業は1号段階からN3到達を見据えた日本語教育と、指導経験を積める配置計画を設計しておくことが重要です

さらに、合格後の在留資格変更に備え、必要書類(雇用契約書、業務内容の説明、実務経験を証明する出勤記録や推薦状など)を日頃から整備しておくと審査がスムーズになります。

実務上の留意点

  • 試験合格は必須要件ですが、合格=在留資格取得ではありません。実際の在留変更は出入国在留管理庁の判断によります。
  • 指導等実務経験の要件は「単に勤務年数がある」こととは異なります。指導・管理の実績を具体的に示せるかが鍵です。
  • 日本語教育は投資と考えてください。N4からN3へ到達させる過程で、人材の業務遂行能力と定着率が高まります。
  • 試験日程・受験要領は更新されるため、OTAFF等の公式サイトの情報を定期的に確認してください。

参考:外食業分野における 特定技能外国人制度について|農林水産省

外食業における特定技能人材活用の効果と定着への教訓

ROI(投資利益率)の文字を示す画像。外食業で特定技能フィリピン人採用の費用対効果を表すイメージ。

外食業界は深刻な人手不足に直面しており、売上機会の損失につながるリスクを常に抱えているような状況です。

人手不足から十分なスタッフ確保が難しい場合、営業時間の維持や顧客対応に支障をきたす可能性があります。企業は特定技能人材を戦略的に採用することで、このリスクを軽減し、安定したサービス提供体制を確保することが求められます。

経営判断として重要なのは、特定技能人材の採用を単なる労働力補充としてではなく、「売上最適化のための戦略投資」と位置付け、投資回収(ROI)を中長期で設計することにあります

人材獲得にかかる初期コストは大きいため、入社後の定着を前提に採用計画を組むことが不可欠です。

実務上のポイント

  • 採用判断は「最低でも投資回収に必要な勤務年数」を見込むこと。一般的には3年以上の稼働を目安にする企業が多いです。
  • 離職要因として指摘されるのは、職場人間関係、住環境・生活支援不足、そしてキャリアパスの不透明さです。企業は特定技能外国人材を採用する際に、十分な支援とキャリアアップの提示が求められます。

定着を高める実務施策

  1. 入社前〜初期(高優先)
    • 受け入れ前の情報提供とリアリスティックな業務説明(期待値のすり合わせ)。
    • 住居・生活オリエンテーション(住居手配、銀行口座、保険手続き)。
  2. 入社後(中〜高優先)
    • 継続的な日本語支援(業務に直結する語彙・応対表現の強化)。
    • 業務OJTと定期的なフィードバック(評価基準を明確に)。
    • メンター制度:日本人スタッフと外国人材の相互理解を促す仕組み。
  3. 中長期(中優先)
    • キャリアパスの提示(2号移行や幹部候補ルートの設計)。
    • 登録支援機関との連携:生活相談や行政手続きの伴走を委託することで企業負担を軽減。

これらはコストではなく、「投資を守るための保険料」として認識してください。特に初期の生活支援と職場の人間関係構築は離職率に直結します。

採用は「即戦力の確保」かつ「中長期の定着設計」を同時に進めること。初期投資を回収する見通し(最低年数)を数値で示し、採用判断に落とし込むこと。そして登録支援機関や地域の支援ネットワークを活用し、生活面での不安を早期に解消すること。これらが、特定技能外国人材の長期定着に不可欠な要素と言えるでしょう。

特定技能人材採用の全体フロー

履歴書を虫眼鏡で確認する採用担当者。外食業で特定技能フィリピン人の採用選考や人材評価をイメージ。

特定技能人材の採用は、海外での募集・選考フェーズと日本国内での在留資格申請フェーズに大別されます。

海外側(募集〜雇用契約締結)

STEP
送り出し機関の選定

海外で外国人材を採用する際、現地の送り出し機関を介することが求められている場合があります。例えばフィリピンの場合、政府から認定された公式の送り出し機関を通して人材募集や手配を行うことが法律で義務付けられています。そのため、信頼性の高い送り出し機関を選ぶことが、採用計画の遅延やトラブルを避けるために不可欠です。

STEP
募集・選考(書類+面接)

求人票は日本語と英語(あるいは現地語)で用意し、業務内容・労働条件を明確に示します。面接はオンラインと現地面接を併用し、労働条件の齟齬が起きないよう事前にすり合わせます。

STEP
雇用契約(内定)と現地書類処理

内定後は雇用契約書(日本語・英語)を作成します。国によっては契約書の現地公証や行政への提出が必要となる場合があります。

日本側(在留資格申請〜入国)

STEP
在留資格認定証明書(COE)申請

内定後、受入れ企業がCOEを地方出入国在留管理局に申請します。申請書類の典型例は、雇用契約書の写し、支援計画(特定技能1号)、企業側の登記事項証明や納税証明、分野別の試験合格証などです。書類不備で差し戻されると数週間〜数か月の遅延に繋がります。

STEP
COE受領→査証(VISA)申請(在外公館)

COE交付後、候補者は在外日本公館で査証申請を行います。送り出し機関が代行する場合もあります。査証発給後、渡航準備に移ります。

STEP
出国前の最終手続き(現地)

渡航前には健康診断や出国教育、公的書類の最終確認(契約原本の受領・公証など)を済ませます。国や送出機関ごとに条件が異なるため、早めに要件を確定させてください。

STEP
入国〜在留カード交付〜就労開始

日本到着後は上陸審査ののち在留カードが交付され、勤務開始へ移行します。入国後すぐに住民登録・各種保険加入などの事務手続きが必要です。企業はこれらの初期手続きを支援する体制を用意してください。

書類の不備などがあると申請から就労まで余分の時間がかかってしまいます。企業は送り出し機関や支援機関の協力を仰ぎながら、スムーズな入国~就労につながるよう、スケジュールを立ててください。

参考:在留資格認定証明書交付申請 | 出入国在留管理庁

持続可能な人材育成と定着のための登録支援機関活用法

多国籍の仲間が手を重ねて団結する様子。外食業で特定技能フィリピン人と日本人スタッフのチームワークを象徴。

特定技能人材の定着には、入社後の教育と生活支援が欠かせません。特に外食業においては、職場での円滑なコミュニケーションや業務理解が、業績や従業員の満足度にも直結します。

教育の継続性

特定技能1号で入国する外国人材は、原則として日本語能力試験(JLPT N4相当)またはJFT-Basicで所定の水準を満たしています。しかし、日常業務の指示や接客時の細やかなニュアンスの理解には個人差があるのも事実です。

そのため、支援計画には日本語学習支援を組み込み、入社後も継続的に学習機会を提供することが求められます。学習支援の実施方法は、企業が自社で行うか、登録支援機関へ委託するかを明確に定める必要があります。

文化的定着サポート

日本の職場特有の慣習や暗黙のルールを理解させるための文化研修や生活オリエンテーションは、生活環境への不適応を防ぐうえで重要です

具体的には、住居の確保、銀行口座や保険の加入手続き支援、地域の行政手続き案内、相談窓口の設置などが挙げられます。これらの支援は、外国人材の安心感を高め、定着率向上につながります。

登録支援機関の選定と役割

受入れ企業は、特定技能外国人への支援計画に基づき、教育や生活支援を提供する義務があります。しかし、自社だけで全てを担うことが困難な場合、登録支援機関へ支援業務の一部または全部を委託することが可能です。

登録支援機関は生活オリエンテーション、行政手続き支援、相談対応などを代行することで、企業を補完します。ただし、委託した場合でも最終的な責任は受入れ企業にあるため、契約内容や支援範囲を明確にしておく必要があります。

特に、教育や日本語学習を伴走型で支援できる登録支援機関を選定することで、スムーズな戦力化と離職率低減の効果が期待できます。質の高い支援への投資は、特定技能人材の長期的な定着と企業への貢献度を最大化するための重要な施策です。

参考:登録支援機関について 在留資格 特定技能 | 外務省

事例から学ぶ!フィリピン人材採用のメリットと教訓

清潔で整った業務用キッチン。外食業で特定技能フィリピン人スタッフが働く職場環境や調理現場をイメージ。

フィリピンは、特定技能で多くの人材を排出している国の一つです。彼らの持つホスピタリティーの高さや出稼ぎ意識の高さからくる仕事への熱心さは、多くの企業から評価されています。

ここでは、実際にフィリピン人材を採用している企業の事例から、彼らを受け入れるメリットと企業が取るべき戦略などについて考察します。

LEOC(給食委託会社)の事例

企業や病院、保育園、スポーツ施設など多様な施設を対象に、給食業務の受託運営を行っているLEOCでは、自社の研修機関(LEOCアカデミー)で調理・接客研修を行った修了者をフィリピンからまとまった人数で受入れ、全国各地の施設へ配属しています。

平均年齢が若く、労働力人口が多いフィリピンでは、優秀な人材を見つけやすいというメリットがあります。現地で人材を広く募り、研修を行うことで「即戦力人材」の獲得が可能となります。

参考:特定技能外食人財46名がフィリピン・ベトナムから入国|LEOC

イートアンド(大阪王将)の事例

大阪王将を運営するイートアンドでは、餃子製造工場でフィリピンからの技能実習生の受け入れが工場ラインの安定稼働に寄与していると報告されています。

生産ラインの人手を確保することで稼働安定・製造量維持につながることはもちろんのこと、製造現場での受け入れ経験が組織内のノウハウ蓄積につながっています。

参考:大阪王将の餃子製造工場が2回目の外国人技能実習生を受入れ|PRTIMES

MOTHERSの事例

飲食店をチェーン展開しているMOTHERSでは、東京の複数店舗(オフィス街・インバウンド来店の多い立地)で、深夜や平日ランチなどの人手確保と外国客対応を目的に特定技能のフィリピン人を複数名採用しています。

現場の店長や先輩スタッフからは、受け入れ直後から「挨拶や連絡といった基本行動がしっかりしている」、「勤務意欲が高く、教えたことを繰り返し覚えようとする」と評価しており、欠勤・遅刻が少ないことでシフトの安定化に寄与していると報告されています。

実務面では入社直後は仕込みや盛り付け、在庫管理など比較的単純な工程を担当し、調理技術の習得は段階的に進める方針が取られました。加えて、英語での対応力や「外国人スタッフがいること自体が作る雰囲気」が店舗イメージやインバウンド対応に好影響を与えている点も現場から指摘されています。

一方で、専門用語や高度な調理技術は現場での育成が必要であり、初期は業務レベルを慎重に設計する運用が求められてるようです。

現場からは彼らに対して「真面目で働きたい意欲が高い」、「出勤や連絡といった基礎対応がしっかりしている」、「職場の会話量が増え活気が出た」、「店舗の雰囲気づくりで日本人だけでは出せない良さがある」といった声が寄せられています。

参考:株式会社MOTHERS TATA -BAR RESTAURANT CAFE- MORETHAN TAPAS LOUNGE -Spanish- | ONODERA USER RUN

事例から学べる教訓

これらの事例から、企業が学べる教訓は以下の通りです。

  • 勤勉さと真面目さの活用
    • フィリピン人材の高い勤務意欲や責任感を活かすことで、欠勤減少やシフト安定など業務効率が向上する。
  • 専門機関との連携強化
    • 研修・受入れを専門機関と連携して体系化することで、即戦力人材を安定的に確保できる。
  • 段階的な教育設計
    • 入社初期は単純作業から任せ、スキルを見ながら調理や接客へ段階的に拡大することで、定着率と成長を両立できる。
  • 現場への教育投資
    • 受入れ後の研修・指導体制を整えることで、現場力が向上し、日本人スタッフの教育ノウハウ蓄積にもつながる。
  • 採用を組織改善の契機に
    • 外国人材の導入を人手不足対策にとどめず、教育体制・マニュアル整備・チーム運営の見直し機会として活かすことが重要。

これらの事例は、「外国人を雇う」ではなく「共に働く」体制をつくることが企業成長につながることを示しています

外食業における特定技能のフィリピン人材の採用は、人手不足の解消にとどまりません。彼らの高いホスピタリティや勤勉さは、現場の安定稼働と顧客満足の向上に直結します。

一方で、円滑な定着のためには、受入れ体制の整備や段階的な教育設計、そして支援機関との緊密な連携が欠かせません。

フィリピン人材の採用は、自社の組織運営や人材育成の在り方を見直す良い契機にもなるでしょう。

フィリピン人材受入れに必要なDMWと送り出し機関

日本とフィリピンの国旗パズルが組み合わさる様子。外食業における特定技能フィリピン人と日本企業の連携を象徴。

特定技能フィリピン人材の採用には、日本側の要件・手続きだけではなく、フィリピン政府側の組織(DMW/旧POEA)と、現地の送り出し機関についての理解が不可欠です。

DMWと送り出しルールの要点

フィリピンは国民の約10%が海外で働いているという現状があり、労働者を保護するため、DMW(海外労働者省)という行政機関が海外への送出を厳格に管理・監督しています。

例えば、フィリピンではエージェントを介さない企業による直接雇用は原則禁止されており、DMW認定の送り出し機関を通じた手続きが必要となります。

そのため日本の企業がフィリピンから特定技能人材を直接雇用しようとする場合、まずはDMW認定の送り出し機関と人材募集・雇用に関する取り決めを締結し、その上でMWOへの申請手続きを行い、認証を得る必要があります

またDMWは不当な手数料徴収を禁じる通達を出しており、紹介料や手数料の取り扱いには法的なルールが適用されます。とはいえ、実務上は運用に差が出ており、企業側が想定外の費用負担や説明不足に直面するケースが散見されます。

送り出し機関選定の重要性

フィリピン人採用における最大の実務リスクの一つは、送り出し機関の選択です。なぜなら、一部には不当な費用請求や書類偽造、質の低い日本語教育といった悪質な運営を行う機関が存在するからです。

そうした事案は、労働者本人に深刻な被害をもたらすだけでなく、受け入れ企業にも失踪・不法就労・労務トラブルといった重大な負担を引き起こします。

したがって、送り出し機関の選定は「人が来るかどうか」だけで判断してはいけません。倫理性・透明性・法令順守を含めた総合的な適性評価が不可欠です

参考:DMW

送り出しカフェの活用

送り出しカフェのロゴ

DMWへの申請、送り出し機関の選定などの手続きが必要なフィリピン人材の採用を成功させるには、専門のサポート機関を利用するのが最も効率的かつ効果的です。

送り出しカフェは、フィリピン人労働者の採用を検討している日本企業を対象に、フィリピン現地の送り出し機関の紹介・仲介を行っています。

フィリピン政府のライセンスを持つ正規の送り出し機関と提携しており、年間2,000人を海外に送り出す実績を有するパートナーなど、実績豊富な機関と連携しているのが大きな特徴です

送り出しカフェ活用のメリット
信頼性のある送り出し機関の紹介

フィリピン政府公認のライセンスを持つ送り出し機関と提携しているため、違法・不透明な業者を避けられる。

人材の母集団が大きい

提携大学・職業訓練校から約7,000人規模の候補者がいるため、必要な職種に合った人材を探しやすい。

特定技能16分野に対応

介護・外食・建設など幅広い業種の求人に対応できる。

安心の日本語対応

日本人スタッフが窓口となるため、言語や文化の違いによる誤解・トラブルを減らせる。

採用から入国後までワンストップ支援

求人票作成、面接調整、ビザ・MWO申請、入国後の定着支援までトータルサポート。

手続きの負担軽減

フィリピン側で必要な複雑な申請書類や手続きを代行・支援してくれる。

日本語教育サポート

採用前から就労後まで継続的に日本語教育を行う体制があり、現場でのミスや離職リスクを軽減できる。

費用や採用リスクの低減

信頼性の低い送り出し機関を選んで失敗するリスクを減らし、スムーズな採用につながる。

送り出しカフェを活用することによって、DMWのルール確認、信頼できる送り出し機関の選定、明確な契約とスケジュール管理などを円滑に行うことができるでしょう。

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まとめ:外食産業の未来を築く特定技能人材フィリピン人の採用を成功させるために

忙しく動く厨房スタッフの様子。外食業で特定技能フィリピン人が活躍する職場のチームワークと生産性を表現。

外食産業における特定技能人材の採用は、単なる人手不足対策を超え、現在の市場成長において障壁となっている売上機会損失を解消するための、不可欠な戦略的経営判断です。

この戦略を成功させるためには、外国人材の採用を戦略的投資として認識すること、日本語教育と支援をセットで行うこと、さらに長期定着のためのキャリアパスを提示することなどが求められます。

特にフィリピン人材の採用においては、日本側での手続きに加え、フィリピンにおけるDMWや送り出し機関への理解も不可欠です。そのため、特定技能のフィリピン人材の採用を成功させるためには、専門機関によるサポートが不可欠と言ってもいいでしょう。

私たち送り出しカフェは、信頼できる送り出し機関の紹介からビザ申請・入国手続き、日本語教育に至るまで、企業向けに一貫したサポートを提供しています

フィリピン人材の採用を検討しているのであれば、まずは一度、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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