宿泊業の人手不足を解消する!特定技能フィリピン人採用完全ガイド

特定技能 宿泊

日本の観光産業は、インバウンド需要の急速な回復に伴い、過去最高の訪日外客数を記録するなど、かつてない活況を呈しています。しかしながら、この好景気の影で、宿泊業においては構造的な人手不足が深刻化の一途を辿っています。

この喫緊の課題に対し、即戦力となる外国人材を戦略的に確保するための重要な手段として注目されているのが、在留資格「特定技能」制度です。

当記事は、フィリピン人特定技能人材の採用を具体的に検討されている宿泊施設の経営者や採用担当者様を対象に、特定技能宿泊分野の制度の概要、求められる技能の評価基準、そして特に複雑とされるフィリピン政府独自の厳格な送出し手続き(DMWおよびMWO関連)を、最新の公式情報に基づき網羅的に解説します

戦略的な人材確保と法令遵守を両立させるためにも、ぜひ参考になさってください。

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目次

特定技能制度の概要:宿泊業で外国人材に期待される役割

ホテルや宿泊施設で働くスタッフたちが笑顔で立つ。特定技能フィリピン人採用による人手不足解消を紹介

宿泊業界では、従来からの慢性的な人手不足が、インバウンド回復に伴う需要増と相まって一段と深刻化しています。実際の調査では、約8割の宿泊施設が「人手不足を感じている」と回答しており、現場の逼迫感は明白です。

特に、顧客と直接接する業務での人材不足が深刻です。レストランサービス・接客係が79.0%、調理職が73.4%と、いずれも高水準の不足率を示しており、これらは宿泊施設のサービス品質に直結する職種です。人員確保の遅れは顧客満足度や運営効率に直ちに影響を及ぼす要因となります。

こうした背景のもと、特定技能制度は宿泊施設の間で有力な選択肢として浸透が進みつつあります。同調査では、既に42.8%の施設が特定技能人材の採用を実施していると回答しています。

政府が掲げる「2030年訪日外国人6,000万人」という観光目標を達成するうえでも、外国人材の活用は業界の持続的な発展に欠かせない要素です。

特定技能制度とは

特定技能制度は、一定の専門性・技能を有する外国人が日本国内で就労できる制度で、2019年4月に創設されました。宿泊業も対象となっており、人手不足分野への労働力供給を目的としています

制度上の在留資格は「特定技能1号」と「特定技能2号」に区分され、それぞれ求められる技能水準と在留条件が異なります。

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項目特定技能1号特定技能2号
主な業務内容宿泊施設の基本的なサービス提供(フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど)1号の業務に加え、複数の従業員を指導しながら業務を行う熟練レベルの技能が必要
技能水準一定の専門性・技能を有する水準熟練した技能を有する水準(指導的立場)
日本語能力要件日本語能力試験(JLPT)N4相当以上、またはJFT-Basic合格特段の新規要件はなし(1号経験者として日本語運用が前提)
技能試験宿泊分野特定技能1号技能測定試験(宿泊業技能試験センター実施)宿泊分野特定技能2号評価試験
在留期間通算5年が上限上限なし
家族の帯同不可可能(配偶者と子)
受入れ機関の義務就業・生活支援を行う支援計画の策定が必要(登録支援機関への委託も可)支援計画義務はなし(雇用契約に基づく一般的雇用管理)
想定される役割現場の実務スタッフとしての中核チームリーダー・管理職的役割としての中長期人材

宿泊業における特定技能制度の活用は、単なる労働力確保策にとどまりません。外国人材を中長期的に育成し、将来的には現場のリーダーとして登用することが可能な仕組みでもあります。

企業が特定技能1号の受入れを行う段階から、2号への移行を見据えた教育計画や技能評価を整備することは、優秀な人材の定着とキャリア形成を促進するうえで有効です

制度運用にあたっては、支援体制やコミュニケーション環境の整備、日本語教育の継続的支援が欠かせません。これらを適切に実施することで、特定技能制度は宿泊業の持続可能な人材戦略として確かな効果を発揮します。

ただし当記事では主に、特定技能1号の外国人材を採用するための方法について解説していきます。

参考:宿泊分野 | 出入国在留管理庁

宿泊分野特定技能の技能水準と試験内容

ホテル客室を点検するマネージャーと清掃スタッフ。宿泊業の現場で働くフィリピン人特定技能人材の様子。

特定技能1号は、宿泊業務において即戦力となる技能と日本語能力を有していることを客観的に示す在留資格です。評価は学科試験と実技試験によって行われ、受験者が現場で安全かつ適切に対応できるかを確認します。

特定技能1号評価試験:学科と実技の内容

宿泊分野特定技能1号評価試験は、学科試験と実技試験の二部構成です。いずれも、受験者が現場で即戦力として従事できるかを確認する内容となっています。どちらか一方でも65%未満の場合は不合格となります。

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試験区分対象業務評価内容特記事項
学科試験フロント業務
接客
レストランサービス
企画・広報
基礎知識の確認
安全衛生に関する知識
接遇・身だしなみ・業務上の心構え
出題形式は3肢択一、30問程度
実技試験フロント業務
接客
レストランサービス
実務での対応能力の確認
即戦力としての技能評価
実務経験2年以上の者が概ね7割合格できる水準で設計

技能実習2号からの移行特例

宿泊分野の技能実習2号を良好に修了した外国人は、特定技能1号(宿泊分野)への移行に際して、技能試験および日本語試験が免除される場合があります。これは、宿泊業務における実務経験と日本での生活経験により、日常会話程度の日本語能力が既に備わっていることが前提です

受入れ機関にとっては、以下のメリットがあります。

  • 試験や申請手続きの簡略化
  • 入社後の定着リスクの低減
  • 日本での宿泊業務経験を有する人材の即戦力化

この特例は、宿泊施設が効率的に特定技能外国人材を採用し、現場の業務運営やサービス品質を維持するうえで、戦略的な選択肢となります。

合格者の活用と採用のポイント

試験合格者は基礎的な即戦力として現場に投入できますが、旅館やホテル特有の接遇や対応の教育は入社後に必要です

採用計画を策定する際は、どの業務を任せるか、入社後の育成計画と照らし合わせて判断することが重要です。

また、技能実習2号修了者の採用を検討する場合は、免除要件や必要書類を事前に確認し、採用スケジュールに反映させることが望まれます。

参考:宿泊分野特定技能 1号評価試験実施要領|国土交通省

特定技能人材の獲得ルートと採用フロー

面接を待つ応募者たちが椅子に座っている。宿泊業の特定技能人材採用に関する選考の様子。

特定技能人材の採用は、単に求人広告を出すだけでは完結しません。日本国内にいる人材を採用するのか、それとも海外にいる人材を新たに呼び寄せるのかによって、採用ルートや手続きが大きく異なります。戦略的な人材確保には、各ルートの特徴と全体像を把握しておくことが重要です。

採用ルートの分類

特定技能外国人を受け入れる企業は、主に以下の二つのルートで人材を獲得できます。

海外からの新規採用
特定技能試験合格者ルート現地で宿泊分野特定技能評価試験と日本語試験に合格した者を採用
元技能実習生ルート過去に日本で技能実習を修了した者を再入国させ、特定技能外国人として採用
日本国内からの採用
技能実習2号修了者からの移行ルート国内在留中の技能実習2号修了者が特定技能に在留資格変更。
良好に修了していれば技能試験と日本語試験が免除される
在留中の試験合格者ルート国内在留の外国人留学生等が、宿泊分野特定技能評価試験に合格後、在留資格を変更して特定技能外国人として採用

特に技能実習を経験していない外国人の場合、特定技能1号になるには技能検定3級相当の技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。採用ルートの選択は、スピードやコスト、候補者の日本語能力・日本での生活経験を総合的に考慮して決定すべきです。

採用フロー

受入れ企業が実施すべき主要なステップは、計画策定から在留資格申請・入国手続きまで多岐にわたります。主なフローは以下の通りです。

STEP
採用計画の策定と要件明確化
  • 人材が必要な職種(フロント、接客、レストランサービス等)を特定
  • 求める技能水準や日本語能力を明確化
STEP
登録支援機関との連携

特定技能外国人に義務付けられている生活オリエンテーション等の支援を、自社で実施できない場合に委託

STEP
外国人材の選定と面接
  • 海外ルートの場合:送り出し機関を通じて候補者を選定
  • 国内ルートの場合:人材紹介会社や学校等を通じて候補者を選定
  • 面接はオンラインまたは現地で実施
STEP
雇用契約の締結と必要書類準備
  • 候補者と雇用契約を締結
  • 在留資格申請に必要な書類(雇用契約書、支援計画書等)を準備
STEP
在留資格申請
  • 海外からの採用の場合:在留資格認定証明書(COE)の申請・交付後にビザ申請と入国手続き
  • 国内移行の場合:在留資格変更許可申請

これらのステップを正確に実施することは、受入れ機関に課される「外国人との雇用契約の確実な履行」や「適切な支援の実施」といった義務を果たすうえで不可欠です。

参考:特定技能外国人を受け入れる際のポイント|出入国在留管理庁

受入れ機関と登録支援機関に課される協議会への加入

宿泊分野で特定技能外国人を受け入れる受入れ機関や、支援業務を委託されている登録支援機関は、 宿泊分野特定技能協議会に加入することが義務付けられています

宿泊分野特定技能協議会は、特定技能制度の適正な運用を目的として設置された組織です。制度の運用状況を把握し、法令遵守の周知や、業界の意見を制度運営に反映させる役割を担っています。

協議会への加入は、特定技能外国人の在留資格を維持するために必要な条件です。協議会では、試験実施要領の変更や受入れ人数の動向など、制度運営に関する重要な事項が定期的に協議され、その結果は資料として公開されています。

参考:宿泊分野特定技能協議会 | 観光庁

特定技能宿泊人材の定着に必要な施策

ホテルの廊下でタブレットを見ながら打ち合わせをするスタッフ。宿泊業の特定技能外国人の研修風景。

採用は出発点にすぎません。宿泊分野で効果を発揮するには、採用後の定着と戦力化が不可欠です。

日本語力と業務適応を支える研修体制

採用後の課題として最も多いのが、日本語力と現場適応のギャップです。調査では、宿泊施設の約7割が日本語能力を課題として挙げています。特定技能試験に合格していても、接客やクレーム対応など宿泊業特有の会話力が不足するケースが少なくありません。

このため、日本語教育と業務特化型研修の両立が不可欠です。現場で成果を上げている施設では、以下のような体制を整えています。

研修体制
  • 日常会話と接遇表現に重点を置いた日本語研修
  • フロント・客室・調理補助など業務別の実践型OJT
  • 集合研修と現場研修の組み合わせによる早期戦力化

地方の旅館などでは、地域全体で研修を共有し、教育コストを分散する取り組みも見られます。

特定技能2号移行に向けた支援のポイント

特定技能1号の在留期間は原則5年が上限です。このため、1号段階から2号への移行を見据えたキャリア設計が定着率向上の鍵となります

企業には、採用初期から一貫した育成方針を打ち出し、本人が将来的な成長イメージを持てるようにすることが求められます。

特定技能1号から2号への移行には、以下の要件を満たす必要があります。

要件
  1. 実務経験
    • 宿泊分野において、特定技能1号としての実務経験が少なくとも1年以上必要です。この期間中に、業務遂行能力や指導力など、2号に求められるスキルを習得することが求められます。
  2. 技能試験の合格
    • 宿泊分野特定技能2号評価試験に合格する必要があります。試験では、フロント業務、接客、企画・広報など、宿泊業務全般に関する知識と技術が評価されます。

企業は、特定技能1号から2号への移行を支援するために、以下の取り組みを行うことが推奨されます。

業務遂行能力の向上実務経験を通じて、業務の効率化や品質向上に貢献できるよう、指導やサポートを行います。
指導力の育成チーム内でのリーダーシップや後輩指導の機会を提供し、指導力を養成します。
技能試験対策試験内容に基づいた研修や模擬試験を実施し、合格に向けた準備を支援します。
キャリアパスの明確化昇給・昇進の基準や評価指標を明確にし、長期的なキャリア形成をサポートします。

これらの取り組みにより、特定技能2号への円滑な移行が可能となり、外国人材の定着と戦力化が期待されます。

法令遵守と生活支援の徹底

特定技能1号の採用に当たっては、10項目の支援計画の作成・実施が義務づけられています。

支援10項目
  1. 事前ガイダンス
    • 日本での就労や生活に関する基本的な情報提供
  2. 出入国時の送迎
    • 入国時の空港からの移動や帰国時の送迎
  3. 住居確保・生活に必要な契約支援
    • 住居の手配や生活に必要な契約手続きの支援
  4. 生活オリエンテーション
    • 日本での生活ルールやマナー、緊急時の対応方法などの情報提供
  5. 公的手続等への同行
    • 役所での手続きや各種申請への同行支援
  6. 日本語学習の機会の提供
    • 業務に必要な日本語の学習機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
    • 問題や不安に対する相談窓口の設置と対応
  8. 日本人との交流促進
    • 日本人社員との交流の場を提供し、文化理解を促進
  9. 転職支援(人員整理等の場合)
    • 人員整理などの場合の転職先の紹介や支援
  10. 定期的な面談・行政機関への通報
    • 定期的な面談を通じて状況確認と必要な通報の実施

上記10項目の支援内容を、登録支援機関に委託することも可能です。しかし所属機関としての管理責任は残る点には留意してください。

これらの支援内容を単なる「義務」と捉えるのではなく、外国人材の生活を支える重要な支援策として実施することが、長期定着に直結するでしょう

定着支援の実務ステップ
STEP
入社前

住居手配、銀行口座・保険案内、日本語初期研修計画

STEP
0〜3か月

生活オリエンテーション、段階的な業務指導(見る→一緒にやる→任せる)

STEP
3〜12か月

接遇・緊急対応トレーニング、評価面談による進捗確認

STEP
長期

2号移行を見据えたスキル評価、昇給・昇進制度の運用

このように計画的に支援を進めることで、外国人材の早期離職を防ぎ、現場戦力として定着させることが可能になります。

参考:宿泊分野における外国人材受入れ(在留資格「特定技能」) | 観光庁

なぜフィリピン人?宿泊業への適応性

フィリピン国旗を手に笑顔で集まる若者たち。特定技能制度で日本の宿泊業に挑戦するフィリピン人候補者。

フィリピン人材が日本の宿泊業界で特に高い評価を受ける背景には、彼らが持つ独特の国民性と文化的な強みが深く関わっています。これは、単なる労働力確保を超え、サービス品質の向上やグローバルな対応力の強化という点で、企業に大きなメリットをもたらすでしょう。

英語力とホスピタリティ精神

フィリピンは、英語が公用語の一つであるため、基本的な英語能力を持った人材が豊富です。これは、インバウンド需要の急速な回復が続く日本の宿泊施設にとって、極めて大きなメリットとなります。フロント業務や国際的な接客が必要なレストランサービス等において、フィリピン人社員は、日本人スタッフでは難しい多言語対応をスムーズに実施できる可能性が高いでしょう。

またフィリピンの文化は、家族志向と共同体性を重視します。これが職場におけるホスピタリティ精神に反映されることが多く、日本の旅館やホテルの細やかなサービスを習得するための素地として非常に有効に作用すると考えられます。

家族を支える高い勤勉さと定着可能性

フィリピンでは、海外で働く労働者(OFW)が家族を経済的に支えるという文化が根付いています。この文化的背景は、特定技能外国人としての就労に対する高いモチベーションと、真摯で勤勉な働きぶりという形で現れるのです

彼らは「一生懸命に仕事を覚えて役に立とう」という前のめりな姿勢を持つことが多く、現場に活力を与える存在として評価されています。

現場の声から学ぶ!フィリピン人採用のメリット

ホテルのフロントで笑顔のスタッフが家族連れを出迎える。特定技能外国人が活躍する宿泊業の接客シーン。

日本の宿泊業界において、特定技能制度を活用してフィリピン人材を採用することは、単なる労働力不足の補填に留まらず、サービス品質の向上と多文化共生という新たな価値をもたらします。

実際にフィリピン人を採用している企業の例から、企業が学ぶべき点を探っていきましょう。

東急リゾーツ&ステイ株式会社の事例

リゾートホテル等を運営する東急リゾーツ&ステイ株式会社では、海外から来日し日本での就労経験を持たない特定技能人材の採用を積極的に進めています。ある共同研修プログラムの実施時には、採用された外国人社員30名のうち、18名がフィリピン人で占められていました。

同社の担当者は、フィリピンの学生を視察した際、「非常に明るく、礼儀正しい学生が多く、教育水準の高さが伺えた。日本で働く意欲も高く、一緒に働く日を楽しみにしている」とコメントしています。

実際に配属された宿泊施設では、彼らが繁忙期に大きな貢献を果たし、即戦力として高く評価されています。特に、お客様と対面するレストランのライブキッチンや、日本人社員と同等の業務を任せることができており、高いモチベーションと熱心な働きぶりは現場に活力を与えています。

ホスピタリティ精神に優れるフィリピン人材が、日本の宿泊業の現場でその能力を十分に発揮できることの証明となっています。

事例から見えるフィリピン人材採用のメリット

東急リゾーツ&ステイの事例から見えてくるのは、フィリピン人材の採用から企業は以下のようなメリットを期待できるということではないでしょうか。

ホスピタリティ精神の高さ

フィリピン人は、もともとホスピタリティ精神に優れており、日本の宿泊業の現場でもその能力を十分に発揮しています。

即戦力としての活躍

繁忙期において、採用された特定技能の人材が即戦力として高く評価されており、現場に活力を与えています。

多文化共生の推進

多様な人材が活躍できる環境づくりが進められており、企業の国際化が促進されています。

宿泊分野におけるフィリピン人材の採用は単なる人手不足解消に留まらず、企業の持続的な成長に必ずや寄与することでしょう。

参考:―宿泊・観光業界における人手不足の緩和に寄与―東急リゾーツ&ステイで“初”となる特定技能外国人材の大型受入れ ONODERA USER RUNの特定技能人材52名が採用 | 株式会社ONODERA USER RUNのプレスリリース

フィリピン人材受入れに必要なDMWと送り出し機関

日本とフィリピンの国旗が並ぶ。両国間の連携による特定技能制度を通じた宿泊業人材採用の象徴的イメージ。

特定技能フィリピン人材の採用には、日本側の要件・手続きだけではなく、フィリピン政府側の組織(DMW/旧POEA)と、現地の送り出し機関についての理解が不可欠です。

DMWと送り出しルールの要点

フィリピンは国民の多くが海外で働いているという現状があり、労働者を保護するため、DMW(海外労働者省)という行政機関が海外への送出を厳格に管理・監督しています。

例えば、フィリピンではエージェントを介さない企業による直接雇用は原則禁止されており、DMW認定の送り出し機関を通じた手続きが必要となります。

そのため日本の企業がフィリピンから特定技能人材を直接雇用しようとする場合、まずはDMW認定の送り出し機関と人材募集・雇用に関する取り決めを締結し、その上でMWOへの申請手続きを行い、認証を得る必要があります

またDMWは不当な手数料徴収を禁じる通達を出しており、紹介料や手数料の取り扱いには法的なルールが適用されます。とはいえ、実務上は運用に差が出ており、企業側が想定外の費用負担や説明不足に直面するケースが散見されます。

送り出し機関選定の重要性

フィリピン人採用における最大の実務リスクの一つは、送り出し機関の選択です。なぜなら、一部には不当な費用請求や書類偽造、質の低い日本語教育といった悪質な運営を行う機関が存在するからです。

そうした事案は、労働者本人に深刻な被害をもたらすだけでなく、受け入れ企業にも失踪・不法就労・労務トラブルといった重大な負担を引き起こします。

したがって、送り出し機関の選定は「人が来るかどうか」だけで判断してはいけません。倫理性・透明性・法令順守を含めた総合的な適性評価が不可欠です。

参考:DMW

送り出しカフェの活用

送り出しカフェ公式サイトトップ画面

DMWへの申請、送り出し機関の選定などの手続きが必要なフィリピン人材の採用を成功させるには、専門のサポート機関を利用するのが最も効率的かつ効果的です。

送り出しカフェは、フィリピン人労働者の採用を検討している日本企業を対象に、フィリピン現地の送り出し機関の紹介・仲介を行っています。

フィリピン政府のライセンスを持つ正規の送り出し機関と提携しており、年間2,000人を海外に送り出す実績を有するパートナーなど、実績豊富な機関と連携しているのが大きな特徴です

送り出しカフェ活用のメリット
信頼性のある送り出し機関の紹介

フィリピン政府公認のライセンスを持つ送り出し機関と提携しているため、違法・不透明な業者を避けられる。

人材の母集団が大きい

提携大学・職業訓練校から約7,000人規模の候補者がいるため、必要な職種に合った人材を探しやすい。

特定技能16分野に対応

介護・外食・建設など幅広い業種の求人に対応できる。

安心の日本語対応

日本人スタッフが窓口となるため、言語や文化の違いによる誤解・トラブルを減らせる。

採用から入国後までワンストップ支援

求人票作成、面接調整、ビザ・MWO申請、入国後の定着支援までトータルサポート。

手続きの負担軽減

フィリピン側で必要な複雑な申請書類や手続きを代行・支援してくれる。

日本語教育サポート

採用前から就労後まで継続的に日本語教育を行う体制があり、現場でのミスや離職リスクを軽減できる。

費用や採用リスクの低減

信頼性の低い送り出し機関を選んで失敗するリスクを減らし、スムーズな採用につながる。

送り出しカフェを活用することによって、DMWのルール確認、信頼できる送り出し機関の選定、明確な契約とスケジュール管理などを円滑に行うことができるでしょう。

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まとめ:宿泊分野のフィリピン人材採用を成功させるために

ホテルの入口で笑顔を見せるスタッフ。特定技能外国人として宿泊業で活躍するフィリピン人従業員のイメージ。

宿泊分野における特定技能人材の採用は、日本国内の構造的な人手不足に対し、高い技能水準を提供してくれる、極めて有効な解決策です。特にフィリピン人材は、その高いホスピタリティ精神と適応力により、業界から高い評価を受けています。

採用ご担当者様は、日本側の在留資格や技能基準(内容の理解)に加え、フィリピン側のDMW/MWOという厳格な送出し機関の手続きを正しく理解し、計画的かつ戦略的に進めることが、採用成功の鍵となるでしょう。

とはいえ、フィリピン人材を採用するには日本側での手続きに加え、フィリピンにおけるDMWや送り出し機関への理解も不可欠です。そのため、採用を成功させるためには、専門機関によるサポートが不可欠と言ってもいいでしょう。

私たち送り出しカフェは、信頼できる送り出し機関の紹介からビザ申請・入国手続き、日本語教育に至るまで、企業向けに一貫したサポートを提供しています

フィリピン人材の採用を検討しているのであれば、まずは一度、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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