インドネシアの送り出し機関とは?選定基準と受入れの流れを解説

送り出し機関 インドネシア

外国人雇用を検討する企業にとって、インドネシアは技能実習生の送り出し国として注目されています。親日的な国民性と豊富な労働人口が魅力ですが、実習生を受け入れるには現地の「送り出し機関」との連携が不可欠です。送り出し機関は実習生の募集から教育、来日後のサポートまで担う重要なパートナーですが、選定方法や業務内容について詳しく知らない担当者も多いでしょう。

本記事では、インドネシアの送り出し機関の基礎知識から選定基準、受入れの流れまで解説します

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目次

インドネシアの送り出し機関の基礎知識と役割

インドネシアと周辺国を示した地図。主要都市ジャカルタやスラバヤなどが記載され、送り出し機関の位置関係を理解できる。

インドネシアから技能実習生を受け入れる際、送り出し機関は企業と実習生をつなぐ重要な役割を果たします。送り出し機関とは、インドネシア政府から正式に認可を受けた民間の人材紹介会社であり、実習生候補者の募集・選考・教育訓練を担当する組織です

日本の監理団体と協力しながら、実習生が安心して来日できるよう様々なサポートを提供しています。現在、インドネシアには多数の認定送り出し機関が設立されており、ジャカルタをはじめとする主要都市で事業活動を展開しています。

参考:
公益財団法人 国際人材協力機構 外国人技能実習制度とは
公益財団法人 国際人材協力機構 技能実習制度における送出機関

送り出し機関とは何か

送り出し機関は、技能実習制度において実習生候補者と日本企業を結びつける橋渡し役として機能する組織です。

インドネシア国内で実習希望者を募集し、日本語教育や職業訓練を実施した上で、実習生を企業に紹介します。来日前の健康診断や各種書類の準備、ビザ取得のサポートなども担当しており、実習生が円滑に日本での生活をスタートできるよう支援を行っています。

送り出し機関の質は実習生の質に直結するため、企業にとって慎重な選定が求められるでしょう。特定技能外国人の紹介を行う会社とは異なり、技能実習制度に特化した専門的なサポートを提供する点が特徴です。

インドネシア政府による認定制度

インドネシアでは、労働省が送り出し機関の認可と監督を行っています。技能実習生の送り出し機関として活動するためには、まず職業訓練機関(LPK: Lembaga Pelatihan Kerja)の資格を取得し、その後SO(Sending Organization)としての認定を受ける必要があります。認定を受けた機関は、外国人技能実習機構(JITCO)や関連機関の公式ホームページで一覧が公表されており、企業はこの情報を活用して信頼できる機関を確認できるのです。

2025年10月時点で、インドネシアには547のSOが存在しており、各機関には固有の認定番号が付与されています。政府による厳格な管理体制により、実習生の権利保護と適正な送り出しプロセスが担保されている状況です。日本とインドネシア政府間で締結された覚書に基づき、両国が協力して制度を運営している点も特徴となっています

参考:
公益財団法人 国際人材協力機構 送出政府機関名・二国間協力覚書締結日・認定送出機関数
外国人技能実習機構 外国政府認定送出機関一覧

送り出し機関が担う具体的な役割

送り出し機関は実習生受け入れプロセス全体において、以下のような多様な業務を担当しています。

業務カテゴリ具体的な内容
募集・選考インドネシア国内での広告掲載説明会の開催応募者の面接・選考企業の求める条件に合った人材のマッチング
教育訓練日本語教育プログラムの実施(N5~N4レベル目標)職種別の技能訓練日本文化・生活習慣のオリエンテーション
渡航準備パスポート取得支援ビザ申請手続きのサポート健康診断の手配航空券の手配
出国前サポート出国前オリエンテーションの実施持ち物や注意事項の説明家族への説明会開催
来日後フォロー実習生との定期的な連絡問題発生時の監理団体との連携緊急時の母国語対応サポート就労先の環境確認

これらの業務を通じて、送り出し機関は実習生が安心して日本で技能を習得できる環境づくりに貢献しています。優良な送り出し機関では、代表者や担当者が日本人スタッフや日本での就労経験者と連携し、きめ細かなサポート体制を構築している機関も増えています。

インドネシア人技能実習生受け入れの流れ

履歴書やジョブアプリケーション用紙、ノートが並ぶデスクの写真。外国人材採用や採用手続きの準備をイメージできる構図。

インドネシアから技能実習生を受け入れるプロセスは、申込みから来日まで複数の段階を経て進行します。各段階でSOが重要な役割を担い、日本の監理団体と連携しながら手続きを進めていくのです。

ここでは、受け入れの概要と各ステップの詳細を解説していきます。係る手続きは複雑ですが、適切な機関と連携することでスムーズに進められます。

受け入れ準備から契約までのステップ

技能実習生の受け入れは、企業が監理団体に相談することから始まります。監理団体は企業のニーズをヒアリングし、送り出し機関を紹介するのです。その後、送り出し機関が実習生候補者を募集し、書類選考や面接を実施します。

企業は現地での面接に参加するか、オンライン面接を通じて候補者を選考し、採用を決定したら雇用契約を締結するという流れです。この段階で送り出し機関は、候補者の履歴書作成支援や面接対策も行い、スムーズなマッチングをサポートしています

実習生の選考と教育訓練期間

採用決定後、実習生候補者はインドネシア国内の訓練センターで約3ヶ月間から6ヶ月間の事前教育を受けます。この期間中、送り出し機関は定期的に企業や監理団体へ訓練の進捗状況を報告し、必要に応じて教育内容を調整します。

教育項目内容
日本語教育日常会話レベル(N5~N4程度)の日本語(読み書き・会話)の学習
職種別技能訓練配属先の職種に応じた基礎的な技能訓練を実施
日本文化・生活習慣日本のマナー、労働文化、生活ルールに関するオリエンテーションの実施
※一部では『Life in JAPAN』等の独自教材も使用
安全衛生教育職場での安全管理や健康管理に関する基礎知識の習得

入国手続きと来日後のサポート

教育訓練完了後から実習開始までの流れを、段階ごとに整理します。

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段階期間目安送り出し機関の役割
ビザ申請1~2ヶ月必要書類の準備日本大使館での面接サポート
出国準備2~3週間健康診断の実施航空券の手配出国前オリエンテーション
来日・入国後講習1ヶ月監理団体と連携した生活サポート母国語での相談対応
実習開始後継続的定期的な連絡問題発生時の監理団体との連携緊急時対応

送り出し機関は来日後も実習生と継続的にコミュニケーションを取り、母国語でのサポートを提供することで、実習生が安心して日本での生活と仕事に専念できる環境を整えています。

信頼できる送り出し機関の選定基準

スーツ姿の男性が仮想ボタンをタッチしている画像。外国人材受入れの送り出し機関選定をイメージできる構図

インドネシアには多数の送り出し機関が存在するため、企業にとって信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。優良な送り出し機関を見極めるためには、複数の評価軸から総合的に判断する必要があります。ここでは、選定時に確認すべき具体的なポイントを解説していきます。

認可状況と実績の確認方法

送り出し機関を選定する際、まず確認すべきは政府からの正式な認可状況です。外国人技能実習機構(JITCO)の公式ホームページで、認定送出機関の一覧ページをご覧いただけます。また、日本への技能実習生送り出し実績も重要な判断材料となるでしょう。

具体的には、過去の送り出し人数、受け入れ企業の業種、実習生の定着率などを確認することで、機関の信頼性を評価できます。設立年数や継続的な送り出し実績があるかどうかも、安定性を測る指標です。送出機関が保有する職業訓練施設(LPK)の規模や設備状況についても、可能であれば確認しておくと良いでしょう。

参考:外国人技能実習機構 外国政府認定送出機関一覧

日本語教育と職前訓練の質

実習生の質を左右する重要な要素が、送り出し機関が提供する教育訓練の内容です。優良な機関では、以下のような充実した教育プログラムを用意しています。

評価項目確認ポイント
教育施設自社の訓練センター(LPK)を保有しているか宿泊施設は整っているか
講師の質日本語教師の資格保有者がいるか職種別訓練の専門講師がいるか日本での就労経験者が指導しているか
カリキュラム日本語能力試験N5~N4レベルに対応しているか実践的な内容か日本の生活習慣やマナー教育も含まれているか
教育期間最低3~4ヶ月以上の訓練期間を確保しているか
進捗管理定期的なテストや評価を実施し、監理団体や企業へ報告しているか

訓練センターの見学や、過去に受け入れた実習生からのフィードバックを参考にすることで、教育の質を判断できます。

費用の透明性とトラブル対応力

送り出し機関に支払う費用の内訳が明確であることは、信頼性を測る重要な指標です。費用面での透明性とトラブル対応力について、以下の項目を確認しましょう。

費用の透明性に関する確認項目
  • 実習生本人が負担する費用の詳細な内訳
  • 教育訓練費、渡航費用などの明確化
  • 過度な金銭的負担を課していないか
  • 保証金の徴収や違約金設定などの禁止行為の有無
  • 監理団体や企業が支払う手数料の明示
トラブル対応力に関する確認項目
  • 日本国内の駐在事務所や支社の有無
  • 日本語と母国語の両方に対応できるスタッフの在籍状況
  • 過去のトラブル事例とその解決方法の開示
  • 監理団体との連携体制の整備状況
  • 緊急時の対応フローの明確化
  • 実習生の帰国後のフォローアップ体制

これらの項目を事前に確認することで、信頼できる送り出し機関を選定し、安心して技能実習生を受け入れることができます。

インドネシア送り出し機関との連携における注意点

カラフルな付箋が貼られた複数のファイルや資料の写真。送り出し機関の選定基準や必要書類の整理をイメージできる構図。

送り出し機関との良好な関係構築は、技能実習生受け入れの成功に直結します。契約前の確認事項を押さえ、起こりうるトラブルへの対処法を理解しておくことが重要です。

ここでは、実務上の注意点と成功事例を紹介していきます。技能実習生の送り出しプロセス全体を通じて、適切な連携体制を構築することが求められます。

契約前に確認すべき重要項目

送り出し機関と契約を結ぶ前に、以下の項目を必ず確認しましょう。

契約内容に関する確認項目
  • 募集から来日までの具体的なスケジュール
  • 各段階での費用負担の明確化
  • 実習生が途中帰国した場合の費用負担と代替要員の手配
  • 契約解除の条件と違約金の有無
  • 監理団体との役割分担の明確化
サポート体制に関する確認項目
  • 来日後の定期連絡の頻度と方法
  • トラブル発生時の連絡体制と対応時間
  • 実習生の家族への連絡体制
  • 日本国内に駐在員や提携先があるか
  • 実習期間終了後の帰国サポート内容

契約書は必ず日本語とインドネシア語の両方で作成し、双方が内容を正確に理解した上で締結することが大切です。送り出し機関の公式ホームページや資料で契約条件の詳細を確認することもお勧めします。

よくあるトラブルと対処法

技能実習生の受入れでは、様々なトラブルが発生する可能性があります。事前に想定されるトラブルと対処法を把握しておきましょう。

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トラブル事例原因対処法
日本語能力の不足教育訓練期間の短さ個人差来日前の追加教育の実施来日後の日本語学習サポート強化
文化・習慣の違いによる誤解事前教育の不足コミュニケーション不足定期的な面談の実施送り出し機関を通じた文化的背景の説明
実習生の突然の帰国希望家族の事情職場環境への不適応早期の相談体制構築送り出し機関と監理団体の三者連携
費用に関する認識の相違契約内容の理解不足契約時の詳細説明書面での確認徹底

トラブルを未然に防ぐためには、送り出し機関、監理団体、企業の三者が密に連携し、定期的な情報共有を行い、問題の早期発見に努めることが不可欠です。

インドネシア人実習生受入れの成功事例

製造業A社では、インドネシアの送り出し機関と5年以上の長期的な関係を構築し、毎年安定的に技能実習生を受け入れています。成功の要因は、来日前に企業の担当者が現地の訓練センターを訪問し、実習生候補者と直接面談を行ったことです。また、来日後も月1回のオンライン面談を実施し、実習生の悩みや要望を早期に把握する体制を整えました。送り出し機関も日本語で対応できるスタッフを配置し、企業との連絡をスムーズに行っています。同社では日本での就労環境に関する情報を積極的に提供し、実習生の不安解消に努めています。

介護施設B社では、インドネシア人実習生の受け入れにあたり、送り出し機関と協力して独自の教育プログラムを開発しました。介護特有の用語や技術を来日前に学習させることで、実習開始後の適応がスムーズになったのです。さらに、実習生の母国の文化や宗教(イスラム教)への配慮を行い、祈祷室の設置や食事への配慮を実施したことで、実習生の定着率が大幅に向上しました。

これらの成功事例に共通するのは、送り出し機関との信頼関係構築と、実習生への継続的なサポート体制です。

まとめ|インドネシア送り出し機関選びが実習生受入れ成功の鍵

スーツ姿のビジネスパーソンが握手を交わす場面。外国人材受入れや送り出し機関との契約締結をイメージできる写真。

インドネシアから技能実習生を受け入れる際、送り出し機関は実習生の募集・教育から来日後のサポートまで担う重要なパートナーです。政府認可を受けた信頼できる機関を選ぶことで、質の高い実習生を安定的に受け入れることができます。選定時には、認可状況と実績、教育訓練の質、費用の透明性、トラブル対応力を総合的に評価しましょう。

契約前には、スケジュールや費用負担、サポート体制を明確にし、監理団体との役割分担も確認することが大切です。送り出し機関との長期的な信頼関係を築き、定期的なコミュニケーションを維持することで、実習生が安心して技能を習得できる環境が整います。

インドネシア人実習生の受け入れを成功させるために、まずは信頼できる監理団体にご相談いただき、適切な送り出し機関の紹介を受けることから始めましょう。送り出し国としてのインドネシアの特徴を理解し、適切な機関と連携することが成功への近道です。

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この記事を書いた人

三木 雅史(Masafumi Miki) 株式会社E-MAN会長
1973年兵庫県生まれ / 慶応義塾大学法学部法学科卒
・25歳で起業 / デジタルガレージ / 電通の孫請でシステム開発
・web通販事業を手掛ける
・2006年にオンライン英会話を日本で初めて事業化
・2019年外国人の日本語教育を簡単、安価にするため
 日本語eラーニングシステムを開発、1万人超の外国人が日々学習中

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